
ICHION CONTEMPORARYでは、2026年10月6日(火)から11月14日(土)まで、コレクションより向井修二の作品を紹介する展覧会「EVANESCENTIA」を開催いたします。
アート流通サポート合同会社(所在地:大阪府大阪市北区野崎町、代表社員:上 一音)が運営する現代アートギャラリー 「ICHION CONTEMPORARY(イチオン コンテンポラリー)」 にて、コレクション展シリーズ「ICHION CONTEMPORARY COLLECTIONS」の一環として、向井修二展「EVANESCENTIA」 を、2026年10月6日(火)から11月14日(土)まで開催いたします。
向井修二は1959年、大阪美術学校在学中に具体美術協会を率いた吉原治良と出会い、その才能を認められ、1961年には最年少で具体美術協会の会員となります。吉原からその作品を「一見クールに見えながら猛烈なエネルギーを内在する」と評された向井は、初期より特定の意味を持たない記号を反復して画面を埋め尽くす独自の表現を展開し、その後、物体や建築空間、さらには自身の身体へとその実践を拡張していきました。1966年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された《The New Japanese Painting and Sculpture》に出品し、現在も1963年の作品《Untitled》が同館のコレクションに収蔵されています。
具体美術協会では、絵画にとどまらず、物質や身体、行為、時間、空間をめぐる多様な実験が試みられました。そこで行われたインスタレーションやパフォーマンスは必ずしも絵画から切り離されたものではなく、絵画という形式そのものを問い、その可能性を拡張する実践でもありました。向井の制作もまた、こうした絵画をめぐる探究と深く結びついています。
1961年の第10回具体美術展にて発表した《記号の部屋》では、室内の調度類から自身の身体に至るまでを記号で覆い、向井自身もその空間の内部に身を置きました。絵画はここで、二次元の画面を越え、人間そのものを取り込む現実の空間へと拡張されました。
その後、自身の作品を炎に投げ入れ、絵画を環境に変容させる《作品焼却ハプニング》を経ながらも、向井は絵画を放棄することなく、記号を画面から日常生活の領域へと解き放っていきます。1966年には大阪・梅田のジャズ喫茶「チェック」を、壁面や家具、食器、働く人々に至るまで記号で覆い、作品を音楽や飲食、人々の交流とともに経験される空間へと広げました。こうした現実空間への介入は現在まで続き、2013年のソロモン・R・グッゲンハイム美術館、2014年の兵庫県立美術館、2017年のニューヨークのLouis Vuitton SoHo、2022年の大阪中之島美術館など、さまざまな場へと展開されています。
向井の記号は、何かを指し示すための符号ではありません。むしろ、無数に反復して描くという身体的な行為によって、記号が本来担う意味づけや分類の機能を無効化し、既存の区分や境界を揺るがしていくものです。記号が物や空間を覆い尽くすとき、それまで対象を規定していた名称や用途、価値の秩序は解体され、見る者の前には改めて「これは何か」という問いが立ち現れます。ラテン語で「消失」を意味する本展のタイトル「EVANESCENTIA」には、向井の記号により、ものにあらかじめ与えられた意味や価値が消失し、その先に新たな知覚を開いていくという本展の視点が重ねられています。
本展では、向井の記号によって既存の意味や機能から切り離されたオブジェを含む作品群を、ICHION CONTEMPORARYの安藤建築に展開します。それは、ギャラリーの展示空間において、私たちのよく知る日常を構成してきた「部屋」の秩序を解体する試みでもあります。そこで作品は単独で存在するのではなく、建築空間、そしてその内部へと入り込む鑑賞者との関係のなかで、新たな意味を獲得していきます。
向井修二の記号表現は、戦後日本の前衛美術の系譜に位置しながら、異なる時代や建築、社会空間に応答し、その領域を更新し続けています。既存の意味が消失した本展の空間へと身を置き、それぞれに立ち現れる新たな知覚を通して、その真髄に触れていただければ幸いです。

向井修二《作品》

向井修二《作品》

向井修二《作品》
【展覧会概要】
タイトル:
ICHION CONTEMPORARY COLLECTIONS
EVANESCENTIA
会場:
ICHION CONTEMPORARY
〒530-0055 大阪府大阪市北区野崎町9-7
会期:
2026年10月6日(火)~11月14日(土)
開館時間:
11:00~18:00
※最終入場17:30
休館日:
日・月・祝日
入場料:
無料
向井修二1940年兵庫県生まれ。1959年、西宮市美術協会にて元永定正と出会い、同年に第8回具体美術展に参加。1961年には具体美術協会に正式に加入し、最年少のメンバーの一人となる。向井の作風は、大量の無意味な記号を積み重ねることを特徴とし、あらゆる価値体系の無効性を表現することを目的としている。この概念は、彼の独自の芸術的アプローチの基盤となった。1965年より全米を巡回した「新日本絵画と彫刻」展に選出され、1966年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)での同展に出品。MoMAはその後、彼の作品を永久収蔵とする。1966年、大阪・梅田のジャズ喫茶「チェック」にて、空間全体を記号で覆う大規模なインスタレーションを制作。日本で初めて、記号によって空間全体を埋め尽くす試みとなった。2013年には、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館の具体美術回顧展「具体:燦爛たる遊び場」に参加し、代表作《シンボル・ルーム》を再構築。館内のエレベーターや洗面所の表面を数百万もの記号で覆う作品を展開した。

【主な収蔵先】
ニューヨーク近代美術館、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館、ザ・ウェアハウス、国立国際美術館、大阪中之島美術館、兵庫県立美術館、宮城県美術館、静岡県立美術館

「芸術が奏でる感性の波長が、一つの音のように人々の心に響き、新たな文化の波を生み出す」
というコンセプトを掲げ、大阪を拠点にアジアと世界を繋ぐ文化交流の拠点を目指し、ICHION CONTEMPORARY は大阪の東梅田の地で活動を続けています。
当ギャラリーは、日本、特に大阪・関西の前衛芸術が勃興した時代のアーティストたちに注目し、その革新性と文化的価値にスポットライトを当てることで、世界的な評価の向上を目指しています。戦後のアメリカでの抽象表現主義、フランスでのアンフォルメル運動に並ぶように、日本では具体派やモノ派といった東アジアでは革新的な美術運動が巻き起こりました。中でも具体美術は、伝統的な美術の枠組みに捉われず、「純粋なる創造」を追求した先鋭的な表現運動として際立ちました。その革新性は、戦後日本の美術の方向性を大きく変えるだけでなく、東アジア全体のモダンアートに大きな足跡を残しました。具体美術の特異な精神は、現代社会においても新たな価値を創造する手がかりとなっており、過去と未来を結ぶ架け橋として重要な役割を果たしています。
我々ICHION CONTEMPORARY にとって、大阪・関西という地で生まれ育った前衛芸術の精神を未来に繋ぐことは次世代への責任であると考えています。
また、ICHION CONTEMPORARY は、海外のギャラリーや美術館とのネットワークを活かし、日本と世界とを結ぶアート交流の架け橋としての役割も果たしています。展覧会や国際的なアートフェアはもちろんのこと、国内外のプライベートミュージアムやギャラリーとも連携し、「アートの交換留学」を行うことで、アートが持つ可能性をさらに拡大させ、大阪を起点とした国際的な文化対話を推進していきます。
さらに、ICHION CONTEMPORARYで若手アーティストがその才能を最大限に発揮し、国際的に活躍できる環境を整えていきます。大阪・関西という地域が持つ豊かな歴史と文化の力を最大限に引き出し、芸術がもたらす社会的・経済的な波効果を通じて、次世代へ繋がる文化交流のプラットフォームとして成長していきます。



アート流通サポート合同会社
ギャラリー「ICHION CONTEMPORARY」の運営(作家選定、展覧会の企画・開催、アートフェア出展、作品管理など)、美術品の買取り・販売、アーティストマネジメント等を行なっています。美術品はコンテンポラリーアートを取り扱っております。
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ICHION CONTEMPORARY
Tel: 06-6364-1111
Email:info@ichion-contemporary.com