
喫茶店「スカーレット」(大阪市中央区船場中央1、TEL 06-6262-6766)が3月12日、大阪・堺筋本町にオープンして55周年を迎える。
愛らしいマスコットキャラクター「マコちゃん」のグッズ=堺筋本町「スカーレット」
店舗面積は約10坪で、席数は12席。店は船場センタービル2号館の地下にあり、ビル開業時にオープンしたという。現在の店主の安延一郎太さんは2代目。以前は金属加工技師だったという。「妻が創業者夫婦の娘さんと親しかった縁で店を引き継いだ」と明かす。
コーヒーは創業時からエスプレッソマシンで抽出する。「当時、エスプレッソマシンは日本ではまだ珍しかった。今の機械はイタリア製の3台目」と話す。ドリンクメニューはブレンド(380円)やカフェオレ、ミックスジュース(以上450円)などをそろえる。
店内の装飾には手塚治虫がデザインしたキャラクター「マコちゃん」のイラストをあしらう。マコちゃんはコーヒー豆の仕入れ先だった「福田珈琲(コーヒー)」のマスコット。同社は2016(平成28)年にコーヒー事業を廃業したという。マスコットを残そうと、2023年に娘の幸子さんがイラストをあしらったグッズを開発。ドリップパックやタンブラーなどを店内で販売する。
「自分の世代にとって手塚治虫はヒーロー。店をやって一番うれしかったのは、手塚治虫とつながりができたことかもしれない」と一郎太さん。幸子さんは「これからも地元で愛され、息長く店を続けられたら」と意欲を見せる。
営業時間は7時30分~17時。土曜・日曜・祝日定休。