大阪・北浜に本社を置く「大阪府住宅供給公社」(大阪市中央区今橋2)とNPO法人「チュラキューブ」(淡路町2)が7月25日、協定を締結した。
締結したのは「福祉連携等による高齢者の生活支援及びコミュニティ活性化モデル事業に関する協定」。協定に基づき、府内で賃貸住宅の提供を行う同公社が持つ空き家を活用し、同NPO法人が運営する就労継続支援B型事業所「GIVE&GIFT」(淡路町2)の利用者が食事を提供するモデル事業を行う。
モデル事業の実施場所は総戸数72戸の団地「OPH杉本町」(住吉区)内の空き家1戸。同所を「杉本町みんな食堂」として、1食400~500円程度で昼食、夕食を週3回程度提供する予定という。提供対象者は主に地域の単身高齢者を想定する。
料理は「GIVE&GIFT」内で同事業所利用者が調理したものを「杉本町みんな食堂」まで配達し、同事業所利用者や近隣の大学生、社会人ボランティアが配膳する。同NPO法人の中川悠代表理事によると、昼食は全員で大皿を囲む形で食べることで相互のコミュニケーションにつながるという。
同公社の堤勇二理事長は「当公社で空き家を住宅以外の用途に活用するのは初の試み。今後も空き家の福祉活用を進めていきたい」と話す。
中川さんは「食堂の近くにある大阪市立大学 杉本キャンパス(住吉区)や関西大学堺キャンパス(堺市堺区)の学生に協力してもらう予定。高齢者、障がい者、学生や社会人ボランティア、全員が相互に良い影響を与えられる場所になれば」と意気込む。
食堂のオープンは8月6日を予定する。