21日、大阪でまん延防止等重点措置の適用が始まった。飲食店の営業時間は緊急事態宣言下から引き続き、20時での閉店を要請する。長引く時短要請で苦境が続くエリア内の飲食店は、生き残りを懸けてさまざまな取り組みを続ける。
本町の焼肉店では、通販事業と夜のランチ営業を開始。北浜のビストロでは、3度目の緊急事態宣言中にアルコール類の提供を制限されたためカフェ営業を始めた。宣言が終了する20日までの予定が「予想以上の反響があった」ことから、延長を決めたという。
2019(令和元)年12月にオープンした本町のすき焼きと串カツの店「はるな」(大阪市中央区南本町3、TEL 06-6224-0188)の砂川仁臣店長は緊急事態宣言中、解体工事現場で働いていたという。「店を開けるだけで固定費が出ていき人件費もかかる。解体業での勤務経験があるので、知り合いの解体工事会社の社長に声を掛けられた時は、すぐに行きますと返事をした」と明かす。3回の緊急事態宣言中の合わせて4カ月にわたり、近畿一円の現場へ行ったという。
テークアウトでとんかつの弁当も考えたが、弁当では揚げたてのおいしさで提供できないため断念したという砂川さん。同店で提供する豚肉は「イブ美豚(びとん)」というブランド豚で、和歌山の生産者から仕入れる。砂川さんは「生産者もコロナ禍の中で肉質の改良を手掛けるなど工夫をしている。イブ美豚のおいしさを知ってほしくて店を開けているので、コロナが収束したらもっとこの味を広めていけたら」と意欲を見せる。
営業時間は11時30分~14時、17時~23時。新型コロナウイルス対策として、席の間に間仕切りの設置、定期的な消毒や清掃、換気などを行って営業する。