プレスリリース

「紙と天然成分から射出成形する“D-PIM(TM)”─三島研究所が本格始動」

リリース発行企業:大宝工業株式会社

情報提供:




◆紙と天然由来成分でカタチづくる「土に還る。水に還る。」D-PIM(TM)
D-PIM(TM)(DAIHO Pulp Injection Molding)は、パルプと植物性結合剤を融合した自然素材から製品を射出成形する、自然の力を利用したサステナビリティ技術です。大宝工業では、大手自動車・家電メーカーに向けたプラスチック射出成形を手掛ける一方で、「かけがえのない地球環境を将来の世代に遺す」という理念のもと30年以上も前からサステナブル社会を見据え、このD-PIM(TM)の研究開発に着手し、さらに環境負荷の少ない技術とするべく東京大学・日精樹脂工業と共に生産性を上げる開発に取り組みました。

D-PIM(TM)で作られた製品は
- 秀でた生分解性
- 優れた水溶性
- 燃焼時有害物質発生ゼロ
- 最高レベルのリサイクル性(紙リサイクル;成形材料再活用)

といった特徴を持ち、GHG排出削減、大気・海洋汚染低減といった社会課題の解決に貢献します。



◆D-PIM(TM)とのコラボレーション
D-IPM(TM)はさまざまな企業・用途での展開が進んでいます。







(左)アミノ酸配合の生分解性スティック
(中)トイカプセル
(右)ファイルバインダー

◆需要の高まりと三島研究所の役割
近年、D-PIM(TM)は化粧品・医薬品・工業用パッケージなど脱プラスチック領域、高い生分解性機能を活かした農業資材(忌避剤・栄養剤)、さらには紙の質感を活かした伝統工芸品などへの導入が検討されるなど、脱プラスチックを超えた機能性へのニーズが急速に高まっています。
 
こうしたマクロ環境の変化に伴い、お客様の要求も多様化・高度化する中で、
- 素材レベルからのカスタマイズ
- 業界ごとの最適設計 など、

より深い対応が求められるようになりました。

この流れを受けて、さらに技術開発と用途展開を強化すべく、当社の株主である株式会社アドバンテッジパートナーズ(東京都港区)の支援のもと、大型投資を実施。紙産業の中核地である静岡県に新たな研究拠点を2024年5月に開設しました。

約1年にわたる準備期間を経て、開発用射出成形機や試験機の導入、D-PIM(TM)に共感する社内メンバーや製紙業界から紙・パルプ繊維の可能性を長年研究してきた専門家を招集し、三島研究所はこのたび本格始動します。

◆D-PIM(TM)の今後の可能性
D-PIM(TM)は、射出成形による高い寸法精度と優れた生分解性を実現する一方で、日常環境下では分解しにくい安定性を併せ持ちます。さらに、配合の工夫により難燃性・耐水性・耐油性・ガス透過性など、紙素材の枠を超えた機能性を備えることができ、特にフッ素樹脂を使用せずとも高い耐油性を示すことからPFAS削減に寄与できる可能性が示唆されております。

環境を中心とし多様化する社会や産業の課題を、単なる脱プラスチックではなくD-PIM(TM)の機能によるイノベーションにより解決していくために、大宝工業はこの三島研究所から応えて行きます。

◆関係者からのコメント
〇東京大学名誉教授 横井秀俊
大宝工業(株)がPIMの開発に着手して約30年、東京大学、日精樹脂工業との共同研究を通して成形技術としての改良を重ね世の中に広く認知された第一世代のPIMから、材料の革新技術を中軸に据えた第二世代の“D-PIM(TM)”へと大きく飛躍しようとしています。サステナビリティ社会を目指す社会的ニーズの高揚に応えるべく、脱プラスチックを越えたD-PIM(TM)ならではの新機能開発 期待して、今後も継続して支援してまいります。

〇株式会社アドバンテッジパートナーズ /ヴァイスプレジデント 小池康太郎
大宝工業株式会社への投資実行以降、素材産業に新たな可能性を切り拓く革新技術としてD-PIM(TM)に大きな期待を寄せ、その成長戦略について同社経営陣と議論を重ねてまいりました。D-PIM(TM)は既に多様な分野で実用化されていますが、まだまだ広大な開拓余地を秘めていると考えており、パートナー企業との価値共創を積極的に推進していきたいと考えております。当社としても設備や人材への投資に加え、他の投資先との連携やグローバル展開支援を通じて、これからもD-PIM(TM)の成長を後押ししてまいります。

◆大宝工業株式会社について
大阪府守口市に本社を置く大宝工業株式会社は、プラスチック射出成形を中核技術とし、国内外の拠点を活かし、設計・金型・成形・組立まで一貫対応でお客様のニーズにお応えしています。また空調ダクトブランド「タイロン」、パルプと植物性結合剤による射出成形「D-PIM(TM)」の開発、廃家電から取出した樹脂を再生する「エコリサイクル」にも独自の技術で取り組んでいます。環境対応と技術革新を両立し、次世代のものづくりに挑戦しています。

大宝工業 HP : https://www.daiho-gr.co.jp

◆本件についてのお問合せ
大宝工業株式会社 D-PIM事業部 窓口 : d-pim@daiho-gr.co.jp

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