株式会社システムクリエイト（本社：大阪府東大阪市荒本新町、代表：川上正義）は、ニューヨークを拠点とするThe Factory Amsterdam（以下TFA）が、Formlabs社のFuseシリーズSLS 3Dプリンターを活用し、大幅なコスト削減と生産性向上を実現した事例をご紹介します。従来の課題をどう解決し、どのような成果を得たのか、具体的な内容をお届けします。
Formlabs Fuseシリーズで製造現場の課題を解消
1. 課題: カスタムツール製作のコストと時間の課題
TFAは、電子機器やガスタービン部品などの製造を手がける加工工場です。同社では、CNC旋盤やレーザー加工機を駆使して迅速な生産を行っていますが、周辺ツール（ジグ、治具、補助工具など）の製作には大きな課題がありました。これらのツールは各製品に合わせてカスタマイズが必要で、製作に数週間と高額なコストがかかっていました。例えば、消耗品であるコレットパッド1セットのコストは約150ドル、納期は3～4週間でした。迅速な対応が求められる現場において、これは大きなハードルとなっていました。





2. 解決策: SLS 3Dプリンターの導入
FormlabsのFuseシリーズSLS 3Dプリンターを導入することで、TFAはこれらの課題を解消しました。SLS技術は、細部まで精密に加工できるだけでなく、Nylon 12 Powderといった高耐久素材を使用することで、強度と化学耐性を備えた部品製作が可能です。

TFAでは、Fuseシリーズを活用して以下のツールを内製化しました：
１. コレットパッド：従来の150ドルに対し、1セットわずか7ドルで製作可能。納期も数週間からわずか1日に短縮。


SLS 3D プリンティングは、これらのコレット パッドのような小型部品の製造に優れています。これらの部品は消耗品ですが、3,000 ～ 4,000 個の部品の製造工程全体にわたって持ちこたえ、3,000 rpm で旋盤を回転させることで発生する放射状の力に耐える必要があります。

SLS 3D プリントされたコレット パッドは、シームレスにフィットしてスピンドルに統合するために、寸法が正確で高精度である必要があります。少しでもずれがあると、旋削プロセスの整合性に問題が生じる可能性があります。


生産工程の各部品の金属部品をスピンドル内にしっかりと保持するには、カスタマイズされたコレット パッドが必要です。

ツールは旋盤内の冷却剤と継続的に接触しています。これは半合成油で、多くのプラスチックに悪影響を与え、FDM 材料を溶かします。ナイロン 12 パウダーは化学的耐性があり、摩耗しません。

２. マグネットアセンブリ治具：オーダーメイドの組み立てツールを数ドルで製作し、労働時間を大幅に削減。

生産工程では、機械加工後に部品に 6,000 個の N52 グレードの磁石 (強力な吸引力) を取り付ける必要がありました。これにより、困難で労働集約的な組み立てプロセスが改善されました。

この人間工学に基づいた磁石組み立て補助具により、磁石の分離と製品への取り付けが容易になり、手作業で必要な困難な作業が大幅に軽減されます。ナイロン 12 パウダーは強度が高く軽量であるため、6,000 個の磁石を分配する場合でも、連続して簡単に使用できます。

3. 結果: 生産効率の飛躍的向上
Fuseシリーズ導入後、TFAは以下の成果を得ました：
- コスト削減：ツール製作のコストが80%以上削減され、消耗品の交換費用が劇的に低減。
- リードタイム短縮：外注に頼ることなく、1日で必要なツールを製作可能に。
- 作業効率改善：従業員の負担が軽減され、作業効率が向上。特にマグネット組み立てでは、オペレーターの疲労を軽減しながら迅速に対応可能となりました。

Fuseシリーズの導入により、TFAは「工具製作に必要な時間とコストを削減し、本来の生産活動に集中できる環境」を構築しました。同社のオーナーであるブラッドリー・マシューズ氏は、「このプリンターはまさに問題解決の鍵だ」と語っています。



株式会社システムクリエイトは、今後もFormlabs製品を通じて、製造業界のさらなる革新と発展に貢献してまいります。ご質問お問い合わせは、下記までお願いします。
システムクリエイトについて
システムクリエイトは、ものづくり企業向けのソリューションプロバイダーとして、3Dプリンターや3Dスキャナーなどの3Dツール、工作機械の販売からCAD/CAMなどのソフトウェア、技術サポート、トレーニングまで幅広く提供しています。また、加工・造形の知識を活かして、受託造形の依頼もお受けしています。


■会社名：株式会社システムクリエイト
■代表者：代表取締役 川上 正義
■設 立：1992年6月19日
■本社所在地：大阪府東大阪市荒本新町1-20
■TEL：06-6618-8555
■FAX：06-6618-8566
■事業内容：3Dデジタルツール導入支援・販売・サポート
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