大建工業株式会社(大阪市北区、社長:億田正則)は、6月23日に信州大学で開催された「日本繊維製品消費科学会 2024年度 年次大会」において、当社の調湿天井材『クリアトーン12SII』使用による部屋干し時間短縮に関する実証について、発表を行いました。
学会でのポスター掲示による当社発表の様子(画面右:当社社員)
実験イメージ
近年、共働き世帯の増加や、花粉・PM2.5等への対策意識の高まりを背景に、洗濯物を部屋干しするケースが増えています。しかし部屋干しは、外干しと比べて乾燥までに時間がかかるため、洋服に残った水分や洗濯で落としきれなかった汚れによって雑菌が繁殖し、においが発生しやすいという課題があります。においの発生を防ぐためには、洗濯物を早く乾かすことが重要となることから、当社ではこの度、調湿性能を持つ天井材『クリアトーン12SII』を用いた場合の、部屋干し乾燥時間の短縮に関する実証実験を行いました。
その結果、『クリアトーン12SII』で仕上げた空間は、通常のクロス仕上げの空間に比べ、部屋干し時の高湿度状態を抑制すること、また洗濯物の乾燥スピードも速くなることが確認できました。なお、本実証は、当社と同様に、協創/共創のためのコンソーシアム「point 0」の参画企業であるライオン株式会社にも、部屋干しに関連する知見などの面でご協力をいただいています。
この実証実験の結果については、6月23日に、繊維に関わる研究をメインテーマとする、日本繊維製品消費科学会の2024年度 年次大会で発表し、調湿建材を空間に取り入れることによる、部屋干しへの有用性を広く周知いたしました。
当社は今後も、実証結果を製品開発や提案活動に活かしつつ、お客様の心身の健康や生産性向上に貢献できるよう、空間の快適性を追求してまいります。
【発表内容の概要】
●論文名
調湿建材を内装仕上げとした室内干しにおける乾燥時間短縮の効果実証
●実証目的・概要
部屋干しの乾燥時間短縮、および部屋干し臭の原因となる菌の増殖抑制対策として、調湿効果のある天井材を用いて、室内天井の内装仕上げ材の違いによる洗濯物の乾燥時間短縮への影響を検証
●実験方法
・天井を調湿建材『クリアトーン12SII』で仕上げた部屋と、天井をビニールクロスで仕上げた同じ大きさの部屋を用意し、それぞれに、洗濯後のタオル(脱水処理済)24枚を部屋干しした。(平面図参照)
・検証は昼干し(9-15時)と夜干し(18-翌7時)の2回行い、時間経過ごとの洗濯物含水率と室内の相対湿度を測定した。(換気なし)
※小型のサーキュレーター1台をそれぞれの部屋に設置(風は洗濯物に直接当てない)
平面図
●実証結果
1.天井材が調湿建材の部屋は、ビニールクロスの部屋と比較し、洗濯物の乾燥スピードが短縮され、約6時間でほぼ乾燥状態になった。
2.天井材が調湿建材の部屋は、ビニールクロスの部屋と比較し、湿度70%以上の高湿度状態が抑制された。
実験結果グラフ
※実証結果は社内測定による結果であり、結果を保証するものではありません。
※実証結果は、季節、天気によって変化します。
※室内の湿度が低減しても結露やカビが発生する場合がありますので、部屋干しをされる場合は24時間換気を必ず行ってください。
(参考) 『クリアトーン12SII』 部屋干し比較実験 紹介ページ:
https://www.daiken.jp/buildingmaterials/ceiling/cleartone/case02/roomdrying.html
以上