12日、大阪府のまん延防止等重点措置の適用が延長された。期間は8月22日まで。
期間中、飲食店の営業時間は20時まで、酒類の提供は11時から19時までとする時短要請は継続する一方で、酒類の提供は一組2人だった制限を4人までに緩和。大型商業施設の営業時間は1時間延長し21時までになる。
大阪市中央区・北区の飲食店の時短要請が始まったのは昨年11月27日。長引く時短要請に、船場エリアの飲食店では「息切れ」する店も。撤退する店のほか、4月25日の緊急事態宣言による酒類の提供自粛を期に、長期の休業を続ける居酒屋もある。テークアウトに注力して営業を続けてきた居酒屋が、今回の「まん防」延長を期に休業する姿も見られた。
一方で、酒類の提供自粛で休業している間にメニューの全面見直しや体制変更をした店も。本町のバル「WOOL本町」は4月から休業。一皿のポーションなどを見直しバルスタイルに変更し、7月5日に営業を再開した。飲食事業営業企画部の吉房絵美さんは、時短の中、営業を続けることに苦労を感じながらも、「再開してお客様の笑顔を見られたことが一番良かった」と笑顔を見せる。
昨年4月の1回目緊急事態宣言以降、テークアウト、通販、料理教室などを手掛けたフランス料理店「Imparfait(アンパルフェ)」の店主・舟渡洋亨さんは、今年6月に2店舗目としてジェラート店「プチルポ ジェラートカフェ&バー」を出店した。「この1年でやれることはすべてやったので、次は新規出店しかないと思った」と打ち明ける。マイナス25℃で保存するため衛生面で管理がしやすいことや、先が見えない中で食材の廃棄率を抑えられることなど「コロナ禍の影響を受けにくい業態を考えたら、ジェラート店が最適となった」と開店の背景を明かす。コロナが終わっても、新たな感染症が生まれる可能性があることも考慮したという。
時流に踊らされされながらも、さまざまな工夫を凝らす船場エリアの飲食店。これからも船場経済新聞は地域に密着し、奮闘を続ける企業や店舗の今の姿も伝えていきたい。