大阪・本町の「コナイト酒場」(大阪市中央区南本町3)で2月26日、山手線全駅を大阪の駅に例える夜イベント「『高輪ゲートウェイ駅』って大阪で言うたらどこなん?」が行われた。
1971(昭和46)年以来の山手線新駅「高輪ゲートウェイ駅」が3月14日に暫定開業するニュースを知った船場経済新聞の大崎弘子編集長が、「高輪ゲートウェイって、大阪で例えるとどこなんやろう? ちょっとみんなで考えてみようや」と呼び掛け、開業2週間前のタイミングで夜イベントを企画した。
大崎編集長は「きっかけは高輪ゲートウェイだが、東京の山手線の駅は大阪の人間にとってなじみがなく、イメージしづらい。そこで、大阪の駅で雰囲気の似ている駅、何か共通項のある駅で例えれば分かりやすいと考えた。当初は山手線全駅をなるべく環状線で例えようと考えたが、駅数が違うので大阪にある類似の駅(街)で言い表すことにした」と経緯を説明する。
参加者は、大阪と東京それぞれ10年以上居住経験がある大阪在住者3人に加え、尼崎出身のシブヤ経済新聞と和歌山出身の品川経済新聞各編集長がリモート会議で参加した。白熱した議論の結果、「高輪ゲートウェイ駅は弁天町駅みたいなところと言っていいのでは」という結論に。どちらも港区にあり、埋立地であることがその理由だ。
高輪ゲートウェイ駅を除く山手線29駅についても、さまざまな意見を交わしながらイメージの近い大阪の駅を挙げていった。街の規模感が違ったり、似たイメージの駅を思いつかなかったりと、話し合った時間は3時間半に及んだ。最も類似性を見つけるのに苦労した駅の一つが駒込駅で、「降りたことがない」という参加者の発言をきっかけに「降りてみたい」視点から大阪環状線の芦原橋とマッチングした。
以下は、品川から山手線外回り順で、類似する大阪の駅をまとめた結果一覧(カッコ内はその理由)。
品川=新大阪(東西の玄関口)、大崎=西九条(元工場地域を再開発)、五反田=西中島南方(ITベンチャーが増えてる街)、目黒=桜ノ宮(川沿いに広がる桜)、恵比寿=中崎町(住みたい街)、渋谷=心斎橋(トレンドの発信地)、原宿=四つ橋(ファッションの発信地)、代々木=四天王寺前夕陽ヶ丘(専門学校・予備校の街)、新宿=難波(劇場のある繁華街)、新大久保=鶴橋(コリアンタウン)、高田馬場=長瀬(大学の街)、目白=玉造(坂の住宅街)、池袋=京橋(郊外へのターミナル駅)、大塚=今宮(路面電車)、巣鴨=大阪天満宮(元気な高齢者が集まる商店街)、駒込=芦原橋(いつか降りてみたい)、田端=萩ノ茶屋(アニメで有名になった)、西日暮里=平野(昭和レトロ)、日暮里=本町(繊維の問屋街)、鶯谷=九条(歴史があるレジャー街)、上野=天王寺(動物園)、御徒町=松屋町(お菓子の問屋街)、秋葉原=日本橋(電気屋街&サブカルの聖地)、神田=阪急梅田(古本の街)、東京=大阪(在来線のターミナル駅)、有楽町=西梅田(大劇場がある)、新橋=天満(ビジネスマンの飲み屋街)、浜松町=大阪城公園(庭園がある)、田町=淀屋橋(ウォーターフロントのタワマン)、高輪ゲートウェイ=弁天町(港区の埋め立て地)。
この結果一覧を見ながら、言い出しっぺの大崎編集長は「これから東京に行ったときに山手線に乗るのが楽しみになった」とうれしそうに話す。大阪28年、東京16年住んだ経験を持つ参加者の塩内一平さんは「これが完成ではない、ここからが考察のスタート」と今後のアップデートに期待を寄せる。
※大塚≒今宮 は 大塚≒新今宮 の誤りでした。訂正してお詫びします。