大阪本町にあるウェブ制作会社「IN VOGUE(インヴォーグ)」(大阪市中央区高麗橋3)が現在、在学中に起業経験のある学生を対象とした採用キャンペーン「兼業OK!即サービス責任者登用『学生社長採用』」を実施している。
同キャンペーンの採用方法で入社すると、「自らが経営する企業との兼業も可」「勤務日数や入社時期、待遇は柔軟に対応」「入社後は即サービス責任者に登用」という、特別な待遇を受けることができる。
こうしたユニークな採用の取り組みを始めた背景について、同社社長の米田純也さんは「学生時代に起業している優秀な学生の可能性をさらに広げることができ、かつ会社にとっても優秀な人材確保につながると考えた」と話す。「学生向けのビジネスコンテストの審査員をする中で、実際に社会の役に立ち、ビジネスモデルとしても優れている素晴らしいサービスを持つ学生を数々見てきた。しかし、そのような学生も会社に新卒社員として入ることで今までのサービスを手放したり、会社の色に染まるためにゼロベースの働き方などをしたりすることが求められているが、果たしてそれらは必要なのか」と疑問に思ったという。
近年、日本ではウェブ関連ビジネスを中心に、在学中に起業する学生起業家が増えつつある。しかし、学生起業特有の難しさとして、実務経験の無さに起因する知識不足や、プロフェッショナルなスキルを持つ仲間に恵まれないといった課題が挙げられるという。今回の採用では兼業可能で同社のリソースも利用できることから、学生社長が同社での業務経験を経営する企業の成長に生かすことが期待される。
今後も長期的に募集を継続していく予定。