日本医薬総鎮守、病気平癒・健康成就の社として信仰を集め「神農さん」と呼ばれ親しまれている少彦名(すくなひこな)神社(大阪市中央区道修町2)で2月3日、節分祭が行われる。
節分は季節の分かれ目の意味で、もともとは「立春」「立夏」「立秋」「立冬」のそれぞれの前日を指す。節分が特に立春の前日を指すようになった由来は、冬から春になる時期を一年の境とし、現在の大みそかと同じように考えられていたため。この時期に過去の厄を払い、新しい一年を迎える意味がある。厄は「役」に通じるとされ、人生において節目の年といわれている。そこで、厄よけ祈とうの後に護摩木に名前と年齢を書いて祈願する「護摩焚き神事」が行われる。
古くより厄祓・健康成就のお宮として崇敬されてきた同神社。当日は護摩焚き神事を行い、六根清浄(ろっこんしょうじょう)を参拝者全員で声を合わせて唱和する。「六根」とは私欲や煩悩、迷いを引き起こす目・耳・鼻・舌・身・意の6つの器官をいう。「清浄」は煩悩や私欲から遠ざかり、清らかで汚れがない境地。このとき六根は完全に調和した理想的状態に至るという。略して「六根浄」とも。「どっこいしょ」の語源ともいわれている。この護摩焚き神事の後、福引があり、ぜんざいを振る舞う。
同神社禰宜(ねぎ)の別所賢一さんは「地域の人の要望で3年前から復活した節分祭なので、近くにお勤めの人たちや皆さんが気軽に親しみを持って参加してほしい。厄年以外の人も過去の厄を払って新しい年を迎えてほしい」と呼び掛ける。
護摩焚き神事は15時から。護摩木は1本500円。ぜんざいは、護摩木購入者優先で先着100人に振る舞う。