プレスリリース

『検査技術』誌に掲載 - インフラ老朽化対策に向けたIoT検査デバイスを開発

リリース発行企業:株式会社コクリエ

情報提供:

2025年8月7日|大阪府豊中市
株式会社コクリエ(所在地:大阪府豊中市、代表取締役:高崎 陽子)が開発を進める、インフラ構造物の劣化を遠隔から定量的に把握できるIoT検査技術が、非破壊検査分野の専門誌『検査技術』(日本工業出版)に掲載されました。
本技術は、橋梁や擁壁などのコンクリート構造物に設置し、ひずみや温湿度といったデータを定期的に計測・送信する自律型IoTデバイスです。
目視や高所作業に依存しない継続的なモニタリングを可能とし、公共インフラの維持管理における省人化・早期劣化検出を実現します。

■ 技術開発の背景
高度経済成長期に整備された社会インフラの老朽化が全国で進行する中、地方自治体など維持管理者には、専門人材や予算の不足といった課題が山積しています。そうした状況を受け、より効率的で持続可能なインフラ点検の仕組みが求められています。
株式会社コクリエは、「子ども達の未来へ繋ぐ明るい社会インフラを創る」を理念に掲げ、地域や企業、研究機関と連携しながらインフラ維持管理に関する現場の課題起点のソリューションの開発を進めてまいりました。

■ 技術の特長と構成
今回開発したIoT検査デバイスは、以下のような技術構成と機能を備えています。1時間から1日毎の挙動や、異常発生時のみデータを観測したいというニーズに特化しているため、通信量が少なく低消費電力・低コストの実現できます。

▼ デバイス構成
マイコン基板:Arduino Nanoベース
センサ群
 - ひずみセンサ×4
 - 温湿度センサ
 - RTC(リアルタイムクロック) DS3231:計測時間の正確な記録を確保
通信モジュール:Sigfox対応モジュール(超省電力LPWA通信)
電源管理:超低消費電力タイマIC「TPL5110」により稼働時間を制御
データ記録:EEPROMを用いたキャリブレーション値・状態の保持

▼ 主な仕様と動作
計測周期:標準として2時間ごとに自動起動して測定
計測内容
 - 各ひずみセンサの中央値
 - 温度・湿度 通信方式:Sigfoxを使用し、無線でSORACOMクラウドへ送信
電源方式:バッテリー駆動(乾電池・リチウム電池等)
稼働寿命:2時間ごとに測定する設定で2~3年の連続稼働が可能
設置方法:構造物への固定により非破壊設置が可能(後付け対応)




■ 想定される活用シーン
『検査技術』では、橋台傾斜モニタリング(桁端部の計測)と鉄道橋の疲労亀裂モニタリング事例を紹介しました。その他、以下のような活用シーンを想定しています。
- 橋梁、擁壁、法面などの土木構造物の劣化モニタリング
- 公共インフラの計画的点検の補完(遠隔監視による省人化)
- 異常変位・ひび割れ等の早期発見による事故リスク低減
- 災害後の簡易・即時評価(災害時応急危険度判定の補助)


■ 今後の展望
当社では、2025年4月から本デバイスの販売・レンタル事業「メタルせんせい」を開始しています。対象とする構造物、計測内容のニーズは多種多様であることが想定されます。現場の課題起点で本技術をブラッシュアップし、モニタリングが維持管理手法の選択肢の一つとなるよう尽力して参ります。







【株式会社コクリエについて】
地域・企業・行政・研究機関をつなぎ、共創による社会課題解決を推進するスタートアップ。ICT・IoTの力を活かし、地方インフラの持続可能な維持管理のモデルづくりに挑戦している。

【本件に関するお問い合わせ】
株式会社コクリエ
担当:高崎
E-mail:doboku-sensei@co-creative.co.jp
Web:https://www.co-creative.co.jp/

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