大阪・船場の高齢者衣料販売会社「ケアファッション」(大阪市中央区久太郎町3)が3月、介護施設での出張販売会「衣動バザール」の対象エリアを広げた。
加齢による体形変化や介護が必要となった高齢者向けの衣料品を企画・販売する同社。親会社はアパレル卸の「大西」(久太郎町)。
カタログ販売をメインとする同社は昨年9月、介護施設に商品を持ち込んで販売する「衣動バザール」を始めた。大阪市内を中心に試行していたが、東京や神奈川の施設から要望が相次いだことから今回、他府県に対象エリアを広げた。京都、岡山、三重、静岡の施設でも開催することが決まっている。
同販売会は、1施設当たり1~2時間程度、衣料品や服飾雑貨約500点を並べ即売する。入居者は試着をしながら品定めができ、午後のレクリエーションとして開くことが多いという。当初は低かった利用率も現在は3割以上となり、客単価は5,000円に上る。
同社特販部長の樋川晴彦さんは「カタログの認知度を上げようと始めたことだが、介護施設では元気な人でも自由に出入りできない状況があり、『買い物難民』になっていると感じた。販売会では、着やすさを体感したり、買い物をする楽しみを感じてもらえたりできれば」と話す。
「介護用品はいざ必要となっても、どこで売っているのか分かりにくい上、比較購買できず、高い買い物をさせられたと感じる人が多い。当社には、どこよりも安く売ろうというDNAがある。できるだけ価格を抑え、1枚ではなく2~3枚買おうと思える値段で提供している」とも。今後は商業施設や地域の体育館など、人が集まりやすい場所での開催も視野に入れる。