大阪・本町を拠点とし、転職情報サイト「天職ぱんだ」を運営する「Web staff」(大阪市中央区安土町2)が、ブラック企業に特化した情報発信サイト「ブラック企業を見極めろ」を7月28日に開設した。
みなし残業やパワハラなど、ブラック企業に関する報道で使用される用語の解説やコラム、体験談などを掲載する同サイト。立ち上げのきっかけは「天職ぱんだ」で実施したアンケート。企業が出す求人内容への信頼度が非常に低かったことからだという。
同社の吉永さんは「正社員・アルバイト問わず9割以上の人が、『企業が出す求人内容を信じていない』という結果に驚いた。ただ、アンケートに寄せられたコメントには、企業の体質の問題ではなく、個人的な人間関係に関するものや、昇給しないなどの主観的な意見も多かった。厳しく指導しただけでブラックと呼ばれてしまっては企業も大変。働く側と雇う側のコミュニケーション不足が原因だと確信した」と話す。
サイト公開後、1日当たり平均約1000人の閲覧があり、1週間に約50件の体験談が投稿されたという。体験談は主観的なものも多いが、個人への誹謗(ひぼう)中傷を除き、あえて原文を公開している。「労働者がこういったことを訴えている、という事実を公開することで、雇う側の気づきになれば」と吉永さん。
働く側への気づきを促すものとしては、法的に問題があった企業など「本当のブラック企業」についてのコンテンツを増やしていく予定。制作には元新聞記者なども参加し、根拠のない情報は掲載しない方針だという。
吉永さんは「現在は労働者目線のコンテンツが多いが、今後は経営者目線のものを増やしていく。働く側と雇う側、双方の気づきのきっかけにしてもらいたい。『ここに載っていなかったらブラックじゃない』と、労働者の判断基準になるサイトを目指す」とも。