買う 暮らす・働く 学ぶ・知る

本町の繊維会社が広島の折り鶴をレーヨン糸に加工 東京五輪での採用狙う

平和記念公園の折り鶴をレーヨンに加工して作ったTシャツ

平和記念公園の折り鶴をレーヨンに加工して作ったTシャツ

  • 0

  •  

 大阪・本町にある繊維の総合メーカー「オーミケンシ」(大阪市中央区瓦町2、TEL 06-6205-7300)が、広島市の平和記念公園にある「原爆の子の像」にささげられる折り鶴をレーヨン糸に加工し、Tシャツやタオルなどにリサイクルしている。

折り鶴による再生レーヨンを使用した布製品

[広告]

 修学旅行で訪れる小学生など、世界中から同地に届けられる折り鶴は年間で1000万羽、約10トン。以前は野ざらしの状態で飾られた後に焼却していたが、近年ではブースが設置され、一定期間その中で展示された後に倉庫保管されるようになった。保管できる数に制限があるため、広島市は折り鶴に託された思いを昇華させるための取り組みを主体的に実施する市民らに折り鶴を配布することにしたという。

 レーヨン綿・糸、各種ニットなどの製造販売を行っている同社は、1917年(大正6年)創立。取引先である古紙再生業の「日誠産業」(徳島県阿南市)が譲り受けた折り鶴の不純物を取り除いてパルプ化し、オーミケンシ独自の精製技術でパルプをレーヨン糸にして布にすることで「折り鶴による再生レーヨン」が誕生した。この素材を使い、さまざまな布製品を製作している。2015年5月1日から開催されているミラノ国際博覧会の日本館では、子ども用スタンプカードのストラップに使用されている。

 同社の戦略素材開発室長の浅見孝志さんは「折り鶴に込められた、日本人が願う平和への思いやストーリーを世界の人に知っていただくためにも、2020年の東京オリンピックのメダルのストラップに採用されたい」と展望を語る。「紙から布ができるという驚きや発見を子どもたちにも知ってほしい」とも。

船場経済新聞VOTE

船場経済新聞エリアには、8つの駅があります。一番利用する駅を教えてください。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース