日本料理店「吉兆」の創業者・湯木貞一のコレクションを収蔵する大阪・本町の湯木美術館(大阪市中央区平野町3)で現在、「平成27年春季展『千家歴代と楽歴代の茶道具―利休のデザインと展開―』」が開催されている。
約1000点に上る館蔵品を、季節ごとの展覧会で公開している同美術館。今回は、千利休に始まる千家歴代の茶道具と、長次郎に始まる楽家歴代の作品を展示。室町時代から江戸時代後期にかけての、両家各代の特徴が見比べられるよう企画された。同美術館で、楽家の作品を一堂に展示するのは10年ぶりとのこと。
展覧会は前期・後期に分けて開催され、会期を通じて約50点が展示される。主な展示品は、千利休作の「瓢花入(ふくべはないれ)」、長次郎作の「黒茶碗(わん) 銘キリキリス」、道入作の「赤茶碗 銘三井寺」など。後期は前期展示の約半分が入れ替えられ、2月18日から始まる。
同美術館の学芸員は、「時期的に初釜で来られる方が多く、皆さんになじみがある三千家に関連した作品を展示した。お茶をたしなまれる方だけでなく、美術的な興味で来場される方も多い。前期・後期を通して、千家と楽家の重要な作品が一通り見られるように展示している。両家がいかに時代のニーズに応じて作品を作り出してきたのか感じていただければ」と話す。
開館時間は10時~16時30分(3月6日は19時まで)。月曜定休。入館料は一般=700円、大学生=400円、高校生=300円。3月29日まで(2月17日は展示入れ替えのため休館)。