写真家・田沼武能さんの写真展「子どもと地蔵さま」が9月20日、大阪・本町の「オリンパスギャラリー大阪」(大阪市西区阿波座1)で始まった。
田沼さんは1929(昭和4)年東京生まれ。1995年から2015年まで日本写真家協会会長を務める。著名人の肖像写真や東京・下町の風景写真を発表するほか、1960年代からは日本や世界の子どもの写真を撮り続けている。同展では、全国各地のお地蔵さまにまつわる子どもの伝統行事を撮影した作品を展示する。
田沼さんがお地蔵さまを意識するようになったのは戦争体験から。東京大空襲の翌朝に自宅の防火水槽の中で2~3歳に見える幼児が亡くなっていたことがきっかけという。「その姿が、まるでお地蔵さまのようだった」と話す田沼さん。「子どもたちが行事を楽しめるのも、長い間日本が戦争を起こしていないから。ずっと平和な日本であってほしい」と願い、撮影を続けていると話す。
展示作品は1980年代から2015年までに撮影したもの。「子どもが主体的に参加する地蔵盆のような行事はどんどん消えていっている。その流れを止めることは難しいが、こんな行事があったことを知ってほしい」と期待を込める。
開催時間は10時~18時(最終日は15時まで)。日曜・祝日休館。入場無料。10月3日まで。