喫茶店「平岡珈琲(コーヒー)店」(大阪市中央区瓦町3、TEL 090-6244-3708)が12月28日、現在の場所での営業を終える。
創業は1921(大正10)年で、現役で営業を続ける喫茶店として大阪で最古という。現在の場所で営業を始めたのは1981(昭和56)年。営業終了の経緯について、店主の小川流水さんは「店舗が入るビルは戦後の混乱期に建てられたようで、正式な建築年がわからないくらい古い建物。2018(平成30)年の大阪北部地震で劣化が進んだことから、店の移転と自分の引退を考えるようになった」と明かす。コロナ禍で計画は一時保留となるも、行動制限撤廃後は本格的にM&Aや取引先への売却を打診したという。「なかなか話がまとまらず一時は廃業も考えたが、今の店長が店を引き継ぎたいと申し出てくれたことで話が進んだ」と話す。移転後は、以前から行っていた古武術指導者としての活動に専念するという。
移転先は平野町四丁目のカフェ・イベントスペース「周(あまね)」で、オープン予定日は1月19日。当面は間借りで営業する。「若いスタッフが育ってきたので安心して店を任せられる」と小川さん。「祖父が創業者で自分は3代目。それぞれの代でカラーがあり、時代ごとにお客さんも移り変わってきた。4代目には若い感性で、再び街の憩いの場になるような店づくりをしてもらえたら」とエールを送る。
現店舗の営業時間は10時~18時。月曜・火曜定休。