大阪産業創造館（大阪市中央区本町1）地下1階の「大阪企業家ミュージアム」（TEL 06-4964-7601）が2月、来館者20万人突破記念企画として「入館料無料ウィーク」や特別講演会を開催する。

大阪企業家ミュージアムの外観

　大阪で活躍した企業家をテーマにした全国的にも珍しい同ミュージアム。大阪商工会議所（同区本町橋）の創立120周年を記念して2001年6月5日に開設された同施設は、開設から13年半がたった昨年12月3日、来館者20万人突破を達成した。20万人目は、修学旅行で来阪していた青森県立青森商業高等学校の2年生だった。

　同ミュージアムでは、松下幸之助氏、小林一三氏、安藤百福氏などの明治以降に大阪を舞台に活躍した企業家105人の足跡をパネル、めくり資料、ゆかりの品などを常設展示しており、事績から企業家精神を学ぶことができる。年に3～4回、特別展示を開き、新規入館者に加えリピーターの来館を促す企画を行ってきた。このほか、新入社員内定者、大阪赴任者などを対象とした研修、企業家について学ぶ「講座・企業家学」や講談など、多彩な事業にも取り組んでいる。

　大阪商工会議所の廣田雅美さんは「来館した人による口コミで来館者が増えている傾向にある。訪れた人に満足してもらえるよう、ボランティアスタッフを中心にガイドを付けて、館内をわかりやすく紹介している点が評価されているのでは」と、来館者を増やすために行っている工夫について話す。

　さらに廣田さんは「日本経済が厳しい状況にある今こそ、大阪の地で明治、大正、昭和の時代に活躍した企業家の志・チャレンジ精神に触れ、新たな事業の創造・変革の知恵と意欲をぜひ引き出してもらいたい。小中高校生には、企業家たちの事績を通して『志』『あきらめない精神』の大切さを感じ、学んでほしい」と来館を呼び掛ける。「節目を迎えて、大阪はもちろんのこと全国そして海外の皆様にも来館してもらえるよう展示・ガイドの充実、時宜に合った特別展示の開催を図っていきたい」とも。

　「20万人達成記念事業」として、2月18日18時30分～19時30分にはスタッフによる展示解説「五代友厚のゆかりの品とその生涯」、同21日13時～13時45分には、館内ミニガイドツアー（当日先着60人）を開く。同21日は4階イベントホールで2部構成の記念講演を行う。第1部（14時05分～15時05分）は、「大阪の企業家精神 ～Challenge and Innovation～」と題して、同ミュージアム館長で大阪大学名誉教授の宮本又郎さんが、第2部（15時10分～16時10分）は、大和ハウス工業会長でCEOの樋口武男さんが「先の先を読む経営 ～複眼経営者　石橋信夫に学ぶ～」をテーマに講演する。いずれも無料（要申し込み）。

　来館者20万人突破を記念して、2月12日～21日の期間中、同ミュージアム入館料を無料にする。

　開館時間は、10時～17時（水曜のみ20時まで）。日曜・月曜・祝日閉館。