全国のカーペット生産会社で構成する「日本カーペット工業組合」(大阪市中央区本町橋2、TEL 06-6809-2868)が現在、カーペットの安全性や快適性について、産学連携で実証を進めている。
大阪に本部を置き、カーペットの需要振興に取り組む同組合。アレルギー症の増加やライフスタイルの変化に伴い、好まれる床材が畳やカーペットからフローリングへとシフトする中、特に「カーペットはダニの温床」というイメージには悩まされてきたという。
カーペット需要の約6割は家庭向け。同組合では、消費者に正しく理解してもらおうと、1992年に「床性能比較分科会」を立ち上げ、カーペットの性能を科学的に考察する取り組みを始めた。数年前からは、信州大学や三重大学大学院など国内の大学と連携し、共同で研究している。
今年10月・11月には「カーペットでのハウスダスト舞い上がり量はフローリングの10分の1」「カーペットは人にリラックスを与える」との実証結果を相次いで発表。11月18日~20日に東京で開催されたインテリア展示会「第34回ジャパンテックス2015」では、リラックス効果を体験できる展示を行い、来場者の評判も上々だったという。
同組合専務理事の田渕博さんは「アレルギーを心配してカーペットを敬遠されることがあるが、むしろカーペットには、アレルギー症状を引き起こすハウスダストの舞い上がりを抑制する効果があると証明できた」と話す。
「今回発表した効果以外にも、カーペットには省エネや集中力向上、防滑性などさまざまな性能や快適性が備わっている。生活シーンに合わせて選択してもらえるよう、情報発信を工夫していきたい」とも。
実験内容の詳細については、同組合ホームページで確認できる。