竹中工務店大阪本店(大阪市中央区本町4)で3月25日、大阪・御堂筋の活性化を目的に募集したアイデアコンクールの表彰式が行われた。主催は一般社団法人日本建築協会。
近年、開放的なショールームやコーヒーショップなどが増え、大阪のビジネス街の印象を変えつつある御堂筋。この変化を後押しする形で、2014年に大阪市が「御堂筋デザインガイドライン」を策定。沿道各企業のニーズが呼応し活性化が進んでいるが、歩行者の立ち寄るスポットが少なく、車通行が中心の街路であるなど問題点も多い。
御堂筋が抱える課題を踏まえて、歩行者が安全・快適に楽しく「そぞろ歩く御堂筋」をテーマに、文章やスケッチなどでアイデアを募集。子どもから70代まで広い世代から、さらに広島や宮城など大阪府外の地域からも応募があり、総数59点の中から6点が最優秀賞と優秀賞に選ばれた。
最優秀賞に選ばれたのは、丸子勇人さんの「PATCHWORK LINE」。御堂筋の歩道や側道、植樹帯をオランダの「ボンエルフ」を想定したパッチワーク状の舗装にすることで、歩行者と車が共存し、歩行者が滞在しやすい空間をつくり出すというもの。丸子さんは「今まで御堂筋に対して感じていた鬱憤(うっぷん)が元になっている。『柔らかさ』を付加したかったので評価されてうれしい」と話した。
審査委員の大阪府立大学21世紀科学研究機構の橋爪紳也教授と、地域活性化事業などを手掛けるケイオス社長の澤田充さんは講評で、「作品の多くは似通った問題意識を持っていることが分かり、それぞれが御堂筋をどう捉えているかということが反映されていた。入賞作品に見受けられる柔軟な発想を、今後の街路樹整備やソフトの具体化に際して参考にできれば」と話した。
優秀賞に選ばれた5点は、中村美香さんの「Happy birthday dear A building!」、中原文雄さんの「そぞろ歩くイモガイ-INFORMATION CENTER OF MODERN OSAKA」、岩倉巧さんの「Flowing-漂うように街を歩く-」、堀沙樹さん、瓜生宏樹さん、湯浅尚さんの「myイチョウourミドウスジ」、太治大輔さんの「インキュベーションストリート御堂筋」。
受賞作品は、日本建築協会ホームページや機関誌「建築と社会」5月号誌上掲載のほか、4月6日まで本町ガーデンシティ(本町3)の1階エントランスに展示される。