「和菓子 isshin(いっしん)」(大阪市中央区北久宝寺町1、TEL 06-6267-5022)が12月7日、大阪・堺筋本町にオープンして10年を迎えた。
店舗面積は17坪で、店主の濱田一信さんが一人で切り盛りする。濱田さんは京都出身。京都で慶応元年(1865年)創業の和菓子店で14年修業した後にオープンした。大阪で開店した理由について「大阪の友達と話していると、京都とは文化や習慣が違うことに気付き興味を持ったから」と説明する。
同店の看板商品はわらび餅で、13種類(690円~)をそろえる。客がカウンターで味とサイズをオーダーすると、濱田さんが切ってきな粉などをまぶし、箱に詰めて提供する。くるみを練りこんだものや抹茶味、カカオ味やほうじ茶味などを用意。一番よく出るわらび餅は「深煎(い)りきな粉」といい、「国産のきな粉を焦げる寸前までいって香ばしさを出している」と説明する。
開店前から列ができる日が少なくない人気ぶりを濱田さんは「自分の知らないところで奇跡が起こっているように感じる」と笑顔を見せる。修業時代には「ほかの食事はできないが、このわらび餅は食べられると母が楽しみにしている」と言って定期的に買いに来てくれる人もいたという。「今後とも健康に留意し、お客さまから元気になれたと言ってもらえるようなわらび餅を提供できたら」と意欲を見せる。
営業時間は11時~(わらび餅が売り切れ次第終了)。日曜・月曜定休。新型コロナウイルス対策として、定期的な消毒や清掃、換気などを行って営業する。