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大阪・本町に「学生と起業家がつながるバー」 時短要請解除で交流復活の兆し

コナイトのカウンターで会話を楽しむ常連客と学生スタッフの平山一暉さん

コナイトのカウンターで会話を楽しむ常連客と学生スタッフの平山一暉さん

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 大阪・本町のバー「コナイト」(大阪市中央区南本町3、TEL 090-4764-9139)に12月3日、時短要請解除でじわり人足が戻り、ビジネス交流が戻り始めた。

世代を越えた交流を楽しむ起業家の面々

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 同店は、「飲みながら仕事の話を楽しみ・交流するバー」として2019(平成31)年2月にオープン。当初は週5日平日営業だったが、コロナ禍で2020年3月に自粛閉店。同年8月には感染拡大を防止するため、中央大通り沿いの壁の一面を全部窓に変更し、オンライン飲み会ができる個室も設けるなど大掛かりな改装工事を行い週3日営業で再開。しかし、2021年はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言発令により11カ月にわたり酒類提供の自粛、時短営業が続いていた。

 同店を経営する「Kaeru」(備後町3)の大崎弘子社長は「バーでお酒を出せなくなるということは、来店の目的がなくなり店舗存続の危機。何かできることはないか? と考えた。学生から『授業がオンラインでリアルなつながりが希薄になっている』という悩みを、起業家からは『誰かの役に立ちたい』という声もあり、学生と起業家の交流をつくろうと今年6月、学生スタッフの『見習いバーテン』を開始した」と話す。

 世代を越えた交流を目当てに来店する客も多く、ウイスキーを中心に1日30杯程度の注文があるという。「これまでも『ずっと行きたいと思っていたけれど緊急事態宣言でやっと来られた』『新しいつながりができる場を求めている』などの声があった。時短要請がなくなり酒類提供も可能になった今、学生と起業家の交流がより深まればと週2日体制で営業を再開した」と大崎さん。

 常連客の男性プログラマーは「41歳の僕が普段話す機会のない大学生から『ひとり時間の過ごし方』を聞くと、Netflixを見たりSpotifyで音楽を聞くなど年の差を感じないことに驚く。一方で友達とワイワイ騒ぐ話を聞くのも新鮮」とハイボールを片手に笑顔を見せる。

 学生スタッフの吉岡紗希さんは「コナイトは『みんなの楽しみの場』ビジネスの話もあるが、学生も輪の中に入りやすい。例えば『就職で東京に行くがどこに住めばいいか?』との相談にも幅広い経験で応えてくれる」という。平山一暉さんは「学生同士で話さないような話題や興味の話から得られる知識・情報はとても貴重で、今後の自分のキャリアを考えるきっかけにもなる。経営者やプログラマー、会社員に学生などさまざまな人がいて、関わりを持つことのできるカジュアルなバー」とも。

 大崎さんは「ビジネス交流を目的に開店したコナイトだが、長引くコロナ禍で飲みに行く機会が減り、緊急事態宣言が明けても週2日明けるのが精いっぱい。今後はセルフ営業の業態に挑戦する予定」と力を込める。

 当面の営業時間は火曜・金曜の19時~23時。感染拡大を防止するため、来店にはホームページから予約が必要。

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