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船場のインテリア・寝具企業各社、コロナ禍で高まる「巣ごもり需要」に対応

「マニフレックス」ショールーム。イタリア本社では昨年のロックダウン中に、抗ウイルス作用があるマットレスを開発したという

「マニフレックス」ショールーム。イタリア本社では昨年のロックダウン中に、抗ウイルス作用があるマットレスを開発したという

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 コロナ禍により自宅で過ごす時間が長くなる中、家で快適に過ごしたいと望む「巣ごもり需要」が拡大しており、船場エリアのインテリア・寝具企業も新たな動きを見せている。

カフェ風の店内の「Livmore(リブモア)」ショールーム

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 京町堀にインテリアデザイン専門店「Livmore(リブモア)」(大阪市西区京町堀1)を構える古市伸子さんは「1回目の緊急事態宣言が出た時、人のライフスタイルが変わると思った」と打ち明ける。同店では店内に壁紙やファブリックなどのサンプルを置き、新築やリフォームの相談に乗る。古市さんは「来店が難しくなるのでウェブ上での施策に着手した」と説明。ウェブ上でリフォーム相談ができるページを整備したほか、インテリアや生活情報を登録メンバーで共有できるオンラインコミュニティー「リブモア村」を始めたという。リフォーム相談では「自宅に仕事スペースを設けたい」という要望を聞くようになったと明かす。

 事業者向け・個人向けに壁紙やカーテンなどのインテリアファブリックを扱う「トミタ」(久太郎町4)マネジャーの藤原真由美さんは、オリンピックや万博などに向けて建設予定だったホテル・商業施設の建設がストップしたり、予算を見直したりするケースが相次いだという。一方で個人向け消費は堅調と言い、「コロナでなければショールームに行きたい」という声に応えて、大阪ショールームは完全予約制で営業している。

 御堂筋沿いにショールームを構えるイタリア製寝具メーカー「マニフレックス」(瓦町3)の中井博貴さんは、コロナ以前に比べ「お客さまの睡眠に対する意識が高まったように感じる」と明かす。「しっかり体を休めて免疫力を高めたい」という人や、来店前にじっくり調べて来る客が増えたという。「予算オーバーでも体にフィットする製品を求める人が以前より増えた」と力を込める。

 同じく寝具会社の「テンピュール」(平野町4)でも「巣ごもり需要の影響は顕著」と明かす。ショールームでは、電動ベッドやマットレス、枕などを販売。ストアマネジャーの上田弘之さんは「電動ベッドの価格帯は一式で20万円~70万円台だが、購買層が20~30代の若年層に広がった。リモートワークが広がったことで、自宅の時間を充実させたいというニーズが若い世代でも増えたようだ」と説明する。

 総務省の2020年家計調査「消費支出の費目別対前年増減率(2人以上の世帯)」によると、寝具類の支出の実質増減率は5.0%と他の費目を上回る増加率が見て取れる。テンピュールもマニフレックスも「外食や旅行などの機会が減ったことで、家で快適に過ごすための時間と支出が増えたようだ」と言い、家計における支出の優先順位が変化したことを実感すると明かす。

 大阪商工会議所の「緊急事態宣言中のテレワーク実施状況に関するアンケート」によると、参考値ながら2020年3月には9.5%だったテレワーク状況が、2021年2月には42.1%と働き方も大きく変化。総務企画部の富田美乃里さんは「業種や企業規模などで異なるが、取引先が大企業の中小企業はリモートワークが浸透してきた」と言う。

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