船場地域のまちづくりアイデアを募集したコンペ「船場2030~ワクワクする船場のこれから~」の公開審査と表彰式が9月28日、綿業会館(大阪市中央区備後町2)で行われた。主催は船場倶楽部(中央区今橋)。
アイデアコンペは、2030年を想定した「ワクワクする船場」にするためのアイデアを公募するもの。「アイデア提案部門」と「まちづくり提案部門」の2つのカテゴリーで7月31日まで募集され、合計87件の応募があり、12件が入賞した。
この内、「まちづくり提案部門」の2次審査と表彰式は、「第16回船場フォーラム」として開催。1次審査を通過した7件について、アイデア提案者によるプレゼンテーションが行われ、最優秀賞1件、優秀賞2件、審査委員特別奨励賞1件が選ばれた。
最優秀賞に選ばれたのは、食品ロス対策を街ぐるみで行うアイデア「Food Salvation City ~SEMBA~」を提案した関西大学都市設計研究室のグループ。「『始末』する精神がある船場だからこそ、食べ物の無駄をなくすライフスタイルの確立を」とプレゼンし、「まちづくりに新しい切り口を持ち込み、社会的意義も大きい」と表彰された。
このようなアイデアコンペが開催されるのは、2001(平成13)年以来、18年ぶり2回目。審査委員長を務めた橋爪紳也さんは「以前は街の空洞化が深刻で、どうやって活気を取り戻すかが課題だった。今やマンションやホテルが次々と建設され、活気がないとは言われなくなったが、まだワクワクする街にはなっていない。そのため今回は『ワクワクする船場』をテーマにした」と話す。
総評では、「ダイナミックに街を変えるようなアイデアは無かったが、具体的で、船場倶楽部がサポートして実現できそうなアイデアがあった。船場でぜひ実行してほしい」と、提案者にエールを送った。
最優秀賞をはじめとした入賞作品は10月5日~6日、船場センタービルで公開展示される予定。