大阪・本町の北御堂津村ホール(大阪市中央区本町4)で3月21日、「船場フォーラム2015」が開催された。
「船場のまちづくり」をテーマに、2005年から続く同フォーラムは今年で11回目。この日は、同エリアに勤める会社員、住民、普段は別々に活動している民間団体メンバーなど143人が参加した。会場には柏木中央区長の姿も見られた。
第1部では、主催の「船場げんきの会」が「船場まちづくり宣言」を報告。「賑(にぎ)わい生活都心」をテーマに掲げ、「船場DNAをみがいて活力とにぎわいを育むまち」「歴史と新しさが共存し楽しさの広がるハイブリッドなまち」「洗練された船場スタイルを創造・進化させるまち」の3つの「まちのありたい姿」を実現させるための具体的な取り組みや行動計画を発表した。このほか、プロムナードの整備経過やイベントの開催実績などが報告された。
第2部では「もっとチャレンジしたい『若者の起業支援や交流の場づくり』」「もっとにぎやかに『まちの空間を活用したイベント・行事を通じた交流』」「もっと楽しく、きれいに『楽しく美化・清掃活動や減災まちづくりを通じた交流』」「もっと知ってほしい『まちの資源や情報発信』」の4つのテーマに分かれ、参加者全員で「車座ディスカッション」を行った。各テーマの観点から「船場まちづくり宣言」を実行に移すべく、ファシリテーターや話題提供者のフォローを受けながら参加者同士が車座になり議論を交わした。
車座ディスカッションの内容を全員で共有する第3部の全体討議では、SNSの活用や、巡回バスの運行、それぞれの団体や活動のつながりをサポートする委員会の発足、コミュニケーションを目的とした清掃活動のエンターテインメント化など多数のアイデアが集まった。
主催の「船場げんきの会」副代表世話人の千葉桂司さんは「車座ディスカッションは初めての試み。多少不安もあったが、それぞれに活発な意見交換や具体的な提案が出され、当初の予想を超えて盛り上がってよかった。課題も見つかったが、やはりフォーラム参加者が、全員顔の見える距離で発言できることで、参加意識も高くなり臨場感が増した」と話す。
柏木中央区長は「街の課題をアイデアで解決する可能性を感じた。大阪は歴史を持ちつつチャレンジや変化を柔軟に受け入れる土壌を持つ。繊維の街・船場はさまざまな人が行き交うことで『縦の糸・横の糸』となり、新しい船場を織りなしていけるのでは」と期待を寄せる。
知人に誘われ参加したという30代男性は「船場のまちづくりに興味をもち参加した。船場という言葉が指すエリアは、人によってばらつきがあるのが意外だと思った。キタにもミナミにもアクセスしやすい上に船場ブランドが定着すれば、ほかにはない魅力的な街になるのでは」と話す。
千葉さんは今回のフォーラムを振り返り、「参加者の数は例年とあまり変わらないが、昨年より若い年代の参加者が増え、特に女性の参加が目立った。広く船場への関心を持ってもらえたと非常に心強く感じた。船場内外とのグループの間で、『活動を伝える、交流する、連携する』という当初の目的を達成できたのではないか」と話す。
次回開催は、来年の同時期を予定する。